塗り薬によるシミ治療

シミ治療というと、レーザーで一気に取る治療を思い浮かべる方が多いかもしれません。

けれども、すべてのシミがレーザーだけで整うわけではありません。

肌全体のくすみ、炎症後色素沈着、薄いシミ、レーザー後の色戻りが気になる場合には、塗り薬やスキンケアを組み合わせながら、少しずつ肌を整えていく治療が向いていることもあります。

フラルクリニックでは、トレチノインやハイドロキノンを用いた塗り薬によるシミ治療を行っています。

この記事では、ハイドロキノンとトレチノインの働き、向いているシミ、使い方、副作用、治療中の注意点について解説します。

患者さまアンケートで見えた、シミ治療前後の不安

当院のご来院者アンケートでは、シミ治療を受ける前後の不安として、治療内容だけでなく、治療後の過ごし方や使う薬について詳しく知りたいという声が見られました。

たとえば、処方された薬について、名前や成分、どのような目的で使うものなのかがわかると安心できるという声がありました。また、施術後に自宅で行う処置や、入浴、洗顔、マスクの使用など、日常生活で気をつけることを一覧で確認したかったという声も見られました。

シミ治療では、治療を受けた直後だけでなく、その後の肌をどう守るかが大切です。アンケートでも、紫外線が弱い季節に治療を受けたい、日焼けを避けたい、日焼け止めをしばらく塗れない時期は不安、汗で日焼け止めが落ちやすい季節は避けたいといった声がありました。

ハイドロキノンやトレチノインを使った塗り薬による治療でも、これらは大切な確認ポイントになります。

塗り薬は、レーザーのようにその場でシミを取る治療ではなく、毎日のスキンケアの中で少しずつ肌の変化を見ていく治療です。そのため、いつ、どの順番で、どのくらいの量を使うのか、赤みや皮むけが出たときにどうすればよいのか、日焼け止めや保湿をどのように続けるのかを、事前に知っておくことが大切です。

ハイドロキノン・トレチノインによるシミ治療とは

ハイドロキノンとトレチノインは、どちらもシミ治療で用いられる外用薬です。似た目的で使われることがありますが、役割は同じではありません。

ハイドロキノン

ハイドロキノンは、メラニン色素が作られる過程に働きかける薬です。

メラニン生成に関わるチロシナーゼという酵素の働きを抑え、新しいメラニンが作られにくい状態を目指します。

すでにある色素沈着を薄くする働きも期待され、シミや炎症後色素沈着、肝斑、そばかすなどに使われることがあります。

トレチノイン

トレチノインは、ビタミンA誘導体の一種です。肌のターンオーバーを促し、蓄積したメラニンを押し出すように働きます。

シミだけでなく、ニキビ、毛穴づまり、小ジワ、肌のハリ感の改善を目的に使われることもあります。

この2つを組み合わせると、トレチノインでメラニンの排出を助けながら、ハイドロキノンで新しいメラニンが作られにくい状態を目指すことができます。つまり、シミの原因を押し出す治療と、原因を作らせにくくする治療を組み合わせる、という考え方です。

ただし、ハイドロキノンもトレチノインも、赤みや皮むけが強く出ている状態で無理に続けると、肌荒れや炎症後色素沈着につながることがあります。よりよい効果を出すためには、肌の反応を見ながら適切に続けることが重要です。

フラルクリニックで行う外用シミ治療

フラルクリニックでは、ハイドロキノンやトレチノインを用いた外用治療を、患者さまの肌状態に合わせて提案しています。

薄いシミ、くすみ、炎症後色素沈着、レーザー後の色戻りが気になる方には、外用薬やレアセラムなどのスキンケアを組み合わせながら、肌全体を整える治療を検討します。

フラルスキン治療では、トレチノインとFLALUコスメシリーズを組み合わせ、自宅で続けるシミ治療、美白、美肌治療を行います。トレチノインで肌のターンオーバーを整えながら、レアセラムに含まれる高浸透型ビタミンC誘導体や、肌に負担をかけにくい基礎化粧品を組み合わせていきます。

治療中は、カサカサ、ヒリヒリ、皮むけが起こることがあります。これはトレチノインによる反応として見られることがありますが、症状が強い場合は調整が必要です。フラルクリニックでは、治療中に心配なことがあれば相談しながら進められるようにしています。

治療期間の目安

ハイドロキノンやトレチノインによる治療は、即効性を求める治療ではありません。肌のターンオーバーやメラニンの生成に働きかけながら、少しずつ変化を見ていきます。

ハイドロキノンは、効果を感じるまでに2から3カ月ほどかかることがあります。トレチノインは、1カ月ほどで肌の変化を感じる方もいますが、赤みや皮むけの出方には個人差があります。

フラルスキン治療では、まず6カ月から1年を目安に続けることがすすめられています。治療後も、シミが気になってきたタイミングで再開したり、肌の状態に合わせて使い続けたりすることがあります。

ただし、ずっと同じ強さで使い続けるわけではありません。肌の反応を見ながら、使用頻度、休薬期間、併用するスキンケアを調整していきます。

治療中のスキンケアで気をつけたいこと

ハイドロキノンやトレチノインを使っている間は、肌が敏感になりやすくなります。治療中のスキンケアでは、攻めるケアを増やすよりも、刺激を減らすことが大切です。

洗顔やクレンジングでは、肌をこすらないようにします。泡やクレンジング剤をなじませるようにやさしく洗い、タオルで拭くときも押さえるように水分を取ります。

スクラブ、ピーリング、強いマッサージ、アルコールの刺激が強い化粧品、レチノール入り化粧品、ニキビ薬などは、治療中の肌には刺激になることがあります。すでに使っている化粧品や外用薬がある場合は、受診時に伝えておきましょう。

保湿は必要ですが、過度に油分の多いものや刺激が出やすいものは、治療効果や肌状態に影響することがあります。フラルクリニックでは、治療中の肌に合わせたコスメの使い方も相談できます。

治療中に一時的に悪化したように見えることがあります

ハイドロキノンやトレチノインを使ったシミ治療では、治療中に一時的にシミが濃く見えたり、肌が荒れたように感じたりすることがあります。

トレチノインはターンオーバーを促すため、古い角質やメラニンが押し出される過程で、赤みや皮むけが起こります。そのため、治療の途中でシミが前より目立つように感じることがあります。

ハイドロキノン使用中に紫外線対策が不十分な場合も、シミが濃く見えることがあります。メラニンの生成が抑えられている状態で紫外線を浴びると、肌がダメージを受けやすくなり、色素沈着につながることがあります。

こうした変化があるため、治療中は自己判断で使用を増やしたり、急に中止したりせず、肌の状態を確認しながら進めることが大切です。不安な症状がある場合は、早めに医師へ相談しましょう。

妊娠中・授乳中の使用について

ハイドロキノンとトレチノインは、妊娠中や授乳中の使用を控えることが推奨されます。

トレチノインはビタミンA誘導体であり、妊娠中は胎児への影響を考慮して使用を避けます。

ハイドロキノンも、色素細胞への作用や安全性の観点から、妊娠中や授乳中は使用を控える必要があります。

妊娠の可能性がある方、妊娠中の方、授乳中の方は、自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。

この時期のシミや肝斑は、ホルモンバランスの影響で濃く見えることもあります。まずは紫外線対策や低刺激のスキンケアを中心に行い、治療の開始時期を相談するとよいでしょう。

個人輸入や自己判断での使用に注意が必要です

ハイドロキノンやトレチノインは、インターネットで個人輸入できることがあります。しかし、自己判断で使用することには注意が必要です。

濃度が高すぎる薬を使ったり、肌に合わないものを使い続けたりすると、かぶれ、炎症、色素沈着、白斑などのリスクがあります。特に、肝斑がある方、肌が敏感な方、レーザー後の肌、日焼けしている肌では、刺激が強く出やすくなります。

また、シミに見えるものが、そばかす、肝斑、ADM、老人性色素斑、炎症後色素沈着、イボなどどの種類なのかによって治療方法は変わります。

ハイドロキノンやトレチノインが向いているシミもあれば、レーザーなど別の治療が必要なものもあります。

まずは診察で、シミの種類と肌状態を見極めることが大切です。

ハイドロキノンとトレチノインは、どちらがシミに効きますか?

どちらが一方的に優れているというより、働き方が異なります。

トレチノインは肌のターンオーバーを促してメラニンの排出を助け、ハイドロキノンはメラニンが作られる過程を抑えます。

そのため、シミ治療では併用することで相乗効果を狙うことがあります。

ただし、併用すると刺激も出やすくなるため、医師の指導のもとで使うことが大切です。

ハイドロキノンで白斑になることはありますか?

高濃度のハイドロキノンを長期間、過度に使用すると、白斑が起こる可能性があります。

濃度や使用期間を守り、必要に応じて休薬期間を設けることでリスクを減らします。

自己判断で強い濃度のものを使い続けるのは避けましょう。

妊娠中や授乳中でも使えますか?

ハイドロキノンとトレチノインは、妊娠中や授乳中の使用を控えることが推奨されます。

妊娠の可能性がある方も、使用前に医師へ相談してください。

この時期のシミや肝斑は、まずは紫外線対策や低刺激のスキンケアを中心に行い、治療の開始時期を相談するとよいでしょう。

レーザー治療と併用できますか?

レーザー治療後の色戻り対策や炎症後色素沈着のケアとして、ハイドロキノンやトレチノイン、レアセラムなどを組み合わせることがあります。

ただし、レーザー直後の肌は炎症が起こりやすく、すぐに刺激のある外用薬を使うと負担になる場合があります。いつから使うか、どの範囲に使うかは、治療後の肌状態に合わせて判断します。