シミの種類

このページでは、さまざまなシミの種類と、それぞれのシミに合った治療法について詳しく解説していきます。
「シミ」と一言でいいますが、
シミには様々な種類があり、
その種類ごとにぴったり合う治療方法があります。

シミの治療は、レーザーを肌にパチパチ当てるだけ…
ではありません。逆に、シミに合っていない治療をおこなうと全然効果がないこともあるのです。

この記事を読むことで

・自分のシミはどんな種類なのか

・自分のシミにはどんな治療が向いているのか

・どんなスキンケアが良いのか
がわかります。

シミ治療が気になったら、まず最初に読んでほしいページです!
それではさっそく本題に入りますね。

フラルグループ理事長
皮膚科専門医 髙田美子が
監修しています

顔にあるシミはできた年齢が関係している

皮膚科医歴20年以上の皮膚科専門医・髙田が経験に基づいておこなっている分類方法で、当院独自の考え方です。

「あなたのその気になるシミ、何歳ごろからありましたか?」
何歳ごろからできているシミなのかを考えることでシミの種類を大まかに分けることができます。

若いころからできているシミと、30代になってからできたシミではタイプが大きく異なります。
若い頃からあったシミは、①遺伝的な要素が大きいシミ であるというケースが多いです。

一方、30代以降に出てきたシミは

②紫外線が関係しているシミ
③スキンケアなどが原因でできたシミ

このどちらかの影響が多く出ています。(できやすい遺伝的な要素を持ってることに加えて)

①遺伝的な要素が大きいシミ

赤ちゃんの時から見られるもの

・太田母斑(青アザ)
・扁平母斑(茶アザ)

いわゆるアザです。体の成長とともに少しは大きくなりますが、基本的には場所・範囲は変化しません

10代からみられるもの

・そばかす(雀卵斑)
・ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)

20代からみられるもの

肝斑

稀なもの

・10代から出る = フォンレックリングハウゼン病のカフェ・オ・レ斑
・幼少期から日の当たったところにシミがどんどん増える = 色素性乾皮症

②紫外線の影響が大きいシミ

30代から気になってくることが多いもの

・肝斑(遺伝要素+紫外線で悪化)
・イボ(脂漏性角化症)
・日光色素斑(いわゆるシミ)

③スキンケアなどが原因でできたシミ

30代から気になってくることが多い

・まぶたの色素沈着
・顔全体のくすみ

とても稀ですが、
30代からは悪性の皮膚がんという可能性もあり、要注意です。


各論

ここからは、様々なシミについて、詳しく説明していきます。

日光色素斑(老人性シミ、日光黒子)

一般的に、皆様が思い描く「シミ」のことです。

日光(紫外線)による炎症や、ニキビで腫れた(炎症が起きた)後などにできやすいです。

特に、ほほ骨の高いところは、顔の中でも紫外線が強く当たるためなのか、多くの人で良く見られる部位です。

A・Bと①~④の組み合わせに合った、ぴったりの治療を選ぶことが大切で、組み合わせにより取れやすさが変わってきます。

取れやすいシミ・取れにくいシミランキング

取れやすいシミトップ3

1位
シミが気になって数年A×濃い茶色のシミ①
FLALU式シミレーザーによく反応します。

2位
シミが気になって数年程度A×薄いシミ② 
・FLALU式シミレーザー
・トレチノイン+美白剤 
どちらも同等

3位
シミが気になって10年以上B×ハッキリわかる茶色のシミ① 
FLALU式シミレーザーによく反応します

取れにくいシミワースト3

3位
シミが気になって10年以上B ×少し盛り上がっているシミ④ 

2位
シミが気になって数年A×赤茶色のシミ③

1位
シミが気になって10年以上B×赤茶色のシミ③

取れにくいシワースト1,2位のシミは日光色素斑の中でもわずかですが、複数のレーザーを組み合わせた治療が必要となります。

どの種類のシミが多い?

①ランキング2位の
できて数年程度A×薄い茶色のシミ②


②ランキングワースト1位の
シミが気になって10年以上B×赤茶色のシミ③

脂漏性角化症(老人性疣贅、老人性イボ)

年齢とともに顔に出てくるといわれており、別名「老人性イボ」とも呼ばれます。中高年(40歳〜)に見られるものであると、皮膚科の教科書にも書いてあります。

しかし、実際の診療の場では、30代でシミの治療に来られる方の5人に1人程度の割合で、この疾患が見られるという印象です。

どうも、紫外線の影響だけではなくて、できやすい体質(遺伝要素)の人が紫外線を浴びると発症しやすいのではないか・・・と感じています。

脂漏性角化症の特徴

・淡い茶色〜こげ茶色
・ハッキリと輪郭がわかる
・大きさは1~20㎜ほど

脂漏性角化症の治療方法

・フラクショナルタイプの炭酸ガスレーザーによる治療が最適
・保険適応の液体窒素でも治療が可能ですが、治療が原因で炎症後色素沈着(PIH)というシミができてしまうため、当院ではおすすめしていません

脂漏性角化症を見分けるポイント

①わずかに盛り上がっているので、シミの部分にパウダーファンデーションを塗ったら粉がたまって逆に目立つ場合は、このイボです

②盛り上がりは、おはじきのように丸くて平らでペタ~っとしています

③ご両親や祖父母など、身近な方にイボがたくさんある方がいる場合は、遺伝的要素を持っています。20代から小さな少し盛り上がった薄い茶色のシミがあればこのイボの可能性があります

④こめかみなど、フェイスラインに出やすいです

男性のシミの50%ほどが、この脂漏性角化症です

炎症後色素沈着(PIH)

シミレーザー治療の失敗…といわれるケースでよく見られるものです。
実際は、失敗ではなく治療後にこの「炎症後色素沈着(PIH)」と呼ばれる別のシミができただけなのですが・・・

この炎症後色素沈着(post-inflammatory hyperpigmentation:PIH)は、

・ニキビの後にできる茶色いシミ

・やけど後の茶色のシミ

・強く日焼けしたあと
・ひどくかきむしった湿疹のあと
・かぶれたあと

など、日常で皮膚に加わる刺激が影響してできるシミです。

医療の場でも
・液体窒素による治療後
・薬疹などのあと
・湿布かぶれ
など、治療に用いたものによってできることもあります。

炎症後色素沈着の特徴

やけど、ニキビ、かぶれを起こしてから、1ヵ月ほどするとうっすらと茶色のシミが現れ、2ヵ月目にかけて濃くなっていきます。

そこからゆっくり時間をかけて半年~1年ほどで自然に消えるといわれていますが、
実際には、年齢とともに、なかなか消えるまでに時間がかかると感じています。

中には、炎症後色素沈着になったことをきっかけに、日光色素斑へ変化してしまうこともあります。

炎症後色素沈着の治療方法

・トレチノイン+美白剤(ハイドロキノン、高濃度ビタミンC誘導体美容液)★★★★★
・トラネキサム酸内服 ★★★

※注意! 炎症後色素沈着(PIH)には、レーザーは使えません。
レーザー治療で悪化する可能性が高いので、お気を付けください。

炎症後色素沈着の症例

①首イボに液体窒素の治療を受けてPIHを生じたケース(他院治療)

②顔のイボに液体窒素の治療を受けてPIHを生じたケース(他院治療)

③レーザー治療を受けてPIHが生じたケース(他院施術)

④固定薬疹のPIH

雀卵斑(そばかす)

小学生の頃からよく見られる遺伝的要素が強いシミです。

頬の高いところ、鼻背に直径2㎜程度の、薄茶色の点々のシミが見られます。

紫外線の影響もあるため、春〜夏の日差しが強くなると目立つようになり、冬には少し薄くなるという変化があります。

雀卵斑(そばかす)の治療方法は?

・フォトフェイシャルがとても効果的
★★★★★★
フォトフェイシャル(光治療)

ただし、治療によって改善するのは「今あるそばかすのシミ」だけで、そばかすの元から根本的に治療する方法は現状ありません。

治療できれいになった後は、紫外線対策が必要です。

せっかく治療を受けても、紫外線で元に戻るなら意味ないな…とがっかりされるかもしれないですが、

数回の治療ですっかりきれいに・副作用もなく取れるという、ほかのシミよりもきれいに早く取れるという良い面もあります。
ここぞという大事なご予定の前に、治療を受けるといいですよ。

肝斑

20代半ば〜30代に現れ始める両頬のシミで、額や口周りまでうっすらとシミが広がる人もいます。
肝斑で悩んでいる方の90%は女性ですが、10%程度男性の方も見られます。

原因はよくわかっていませんが、アジア人に多く見られることなどから
体質(遺伝的要素)があると考えられます。
合わせて、紫外線などの外的な刺激で悪化するといえます。

ここからは私個人の考えになりますが、肝斑の方々を診てきて、体質(遺伝的要素)が強くかかわっていると感じています。

肝斑の治療方法は?

・レーザートーニング ★★★★
・トラネキサム酸の内服 ★★★★
・トレチノイン+美白剤(ハイドロキノン、高濃度ビタミンC誘導体)★★★★

体質が原因であるため、治療による完治は難しいですが、レーザーや内服薬などを組み合わせることにより肝斑を改善させ、良い状態を維持することは可能です。

※注意 :強いレーザー照射や炎症などの刺激で悪化・顕在化するので、肝斑がある部位へのほかの施術は(例えば日光色素斑へのレーザー治療など)肝斑の悪化を十分にご理解の上検討してください。

肝斑こぼれ話

以前、寝たきりの患者さんを往診に行った時の経験です。
患者さんは50代女性。
寝たきりで全くご自身では動くことができず、部屋の窓から離れたところにベッドがおかれていて、直接光を浴びることのない状況で生活されていました。

ご自身で顔をこすることも、紫外線の影響もほとんどない状況でも、両頬にくっきり、ハッキリと肝斑がありました。

それを見て、「あぁ、肝斑って紫外線とか刺激でできるのではなくて、体質で出てしまうのだな…」と実感しました。

後天性メラノサイトーシス(ADM)

肝斑とよく似ているし、できる場所がほぼ同じ、しかも肝斑と合併していることもよくあるので見分けるのが難しいシミです。

でも、肝斑とADMは大きな違いがあります。
それは、ADMは治療できれいに取れることです。
しかも、全部取れたら再発もありません。
ですから、ぜひ「昔からあるシミだから」とあきらめずに、治療を受けていただきたいシミです。

ADMと肝斑の見分け方は?

・ADMの症例

ADMと肝斑の見た目はよく似ていますが、以下の表に当てはめると見分けることができます。

ADMの治療方法は?

あざレーザー治療 ★★★★★★
治療方法はレーザー一択。

使用するレーザーの波長は、
・ルビー(Qスイッチ)
・アレキサンドライト(Qスイッチ、ピコ)
・YAG(Qスイッチ、ピコ)
この3つが保険診療で治療可能です。

扁平母斑(カフェオレ斑・茶あざ)

茶アザと呼ばれるアザで、出生時からみられることが多いです。

扁平母斑の治療方法

あざレーザー治療 ★★★★★★
治療はレーザー一択。

レーザーの波長は、
・ルビー(Qスイッチ)
・アレキサンドライト(Qスイッチ、ピコ)
・YAG(Qスイッチ、ピコ)
この3つが保険診療で治療可能です。

見落としたら危険!皮膚がん

シミ治療にいらっしゃる患者さんの中に、年に数人程度、皮膚がんを見つけることがあります。


特に、悪性黒色腫の場合はレーザー照射などおこなうことはできませんので、正確な診断が必要です。

皮膚癌の症例

・悪性黒色腫の初期症状

・基底層がん

まずは知って欲しい、 シミ治療の「4つのポイント」

シミ治療を行う際に、知っておいてほしい4つの大事なポイントがあります。

1.シミの種類
2.シミの原因
3.シミの予防
4.シミの対策

シミをより深く知ることで、シミ治療をより良くおこなっていくことができます。

当記事(シミの種類)以外の、シミ治療の大事なポイントはこちらから

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