ADMとは?

頬のあたりに、青みを帯びたシミのような色味がある。そばかすだと思っていたけれど、鼻筋にはあまり出ていない。肝斑のようにも見えるけれど、面ではなく点々としている。

このような色素斑は、ADMの可能性があります。

ADMは、後天性真皮メラノサイトーシスの略称です。シミのように見えることがありますが、正確には皮膚の深いところにメラニンが存在するアザの一種です。表皮にメラニンが増える一般的なシミとは、色素がある深さが異なります。

この記事では、当院のご来院者アンケートから見えた治療前の不安や判断軸をふまえながら、ADMの特徴、そばかすや肝斑との違い、原因、治療方法、治療後の経過、日常生活で気をつけたいケアについて解説します。

患者様アンケートから見る、ADM治療前の不安とケアの大切さ

治療を受ける前に多くの方が気にしていること

当院のご来院者アンケートでは、肌治療を受ける前に、料金、口コミや評判、症例写真、医師の経歴や実績を確認したいという声が見られました。また、施術中の痛み、治療後の赤みやかさぶた、洗顔や入浴、マスク、日焼け止めの使い方、紫外線対策について知りたいという声もありました。

ADMなのか、別のシミなのか判断できない不安

ADMは、そばかすや肝斑、一般的なシミと似て見えることがあり、ご自身では判断しにくい色素斑です。また、皮膚の深い部分に色素があるため、治療回数が必要になることがあり、レーザー後の赤みや炎症後色素沈着についても事前に知っておきたいところです。

治療の痛みやダウンタイムに関する不安

痛みの程度、治療回数の目安、治療後の赤みや色素沈着の可能性、洗顔や入浴、メイク、日焼け止めをいつから再開できるのかも確認しておくと、治療後の不安を減らしやすくなります。

治療後の紫外線対策をどうすればよいかという不安

ADM治療では、治療そのものだけでなく、治療後の肌をどう守るかも大切です。紫外線対策、保湿、摩擦を避けるケアを続けることで、炎症後色素沈着を長引かせないように肌を守りやすくなります。不安なことがある場合は、自己判断で治療を選ぶ前に、一度肌状態をご相談ください。

ADMとは

ADMは、後天性真皮メラノサイトーシスの略称です。英語ではacquired dermal melanocytosisと表記されます。かつては太田母斑という症状の一種として考えられていたこともあり、遅発性太田母斑、対称性真皮メラノサイトーシスと呼ばれることもあります。

一般的な太田母斑は、生まれつき、または乳幼児期から見られることがあります。

一方、ADMは赤ちゃんのころには存在せず、小学生頃から後天的に現れることが特徴です。10代後半から30代にかけて発症し、20代で気づく方が多い傾向があります。男性にも発症しますが、女性に多く見られます。

ADMの色の正体は、真皮の中に存在するメラニンです。一般的なシミは、皮膚の表面に近い表皮にメラニンが増えることで見えます。ADMでは、より深い真皮にメラニンがあるため、茶色というより青みや灰色みを帯びて見えることがあります。

この深さの違いが、治療の考え方を大きく変えます。表皮のメラニンに働きかける美白剤や光治療では、ADMには十分な効果が出にくいことがあります。ADMを治療するには、真皮内のメラニンに届くレーザー治療が必要です。

ADMの特徴

ADM。発生部位は肝斑とほぼ同じで、こちらの症例のように頬の高い部分や、その他鼻や額にもみられるケースがある。やや青みがかっておりドット同士は独立している。

まず、頬骨のあたりを中心に、左右対称に出ることがあります。分布は肝斑と似て見えることがありますが、ADMは面で広がるというより、点状の色素斑が独立して見えることが多いです。

次に、色に青みがあることがあります。茶色いシミというより、やや青み、灰色み、くすんだ色味として見えることがあります。この青みは、真皮という深い場所にメラニンがあるために生じる見え方です。赤ちゃんに見られる蒙古斑の色味と少し似ている、と説明されることもあります。

また、鼻の近くに青っぽい色素斑が見られることがあります。そばかすでは鼻筋にも淡い茶色の斑点が散らばることがありますが、ADMでは鼻背にそばかすのような点々が見られないことが特徴のひとつです。一方で、鼻の先端やフチに青みのある色素斑が見られることがあります。

発症時期にも特徴があります。ADMは小学生頃から30代までに現れることが多く、遅くとも30代までに発症しているケースが多いとされています。40代以降に初めて気になるようになった色素斑では、ADMよりも老人性色素斑や肝斑など、他のシミを優先して考えることがあります。

ADMの分布と色合いのバリエーション

ADMは、すべての方に同じ出方をするわけではありません。頬に限局して淡い色素斑として現れる方もいれば、頬からまぶた、こめかみにかけて広範囲に分布する方もいます。目頭の下や目のすぐ下、頬にかけて色素斑が見られることもあります。

色合いも、淡い茶色に見える場合、青みがかった灰色に見える場合、くすんだ褐色に見える場合があります。肌の色、メラニンの深さ、周囲に肝斑やそばかすがあるかどうかによって、見え方は変わります。

このため、ADMは写真や鏡で見ただけでは判断が難しいことがあります。患者様ご自身ではそばかすだと思っていても、診察するとADMであることがあります。反対に、ADMだと思っていても、肝斑や老人性色素斑が主体であることもあります。

ADM治療では、どの範囲がADMで、どの範囲が肝斑やシミなのかを見分けることが、治療結果を左右します。

ADMと似ている色素斑

ADMは、そばかすや肝斑とよく似ています。それぞれ治療方法が異なるため、見た目が似ていても同じ治療でよいとは限りません。

そばかすの見分けポイント

そばかすは、医学的には雀卵斑と呼ばれる色素斑です。小学生頃から現れることが多く、両頬や鼻筋を中心に、小さな茶色い点が散らばるように見えます。ひとつひとつの斑点は独立しており、夏に濃く、冬に薄く見える傾向があります。

ADMとそばかすは、点状に見える点で似ています。ただし、ADMはやや青みを帯びることがあり、鼻背にそばかすのような斑点が見られないことが特徴です。一方、そばかすは淡い茶色で、鼻筋にも斑点が見られることがあります。

そばかすは表皮側のメラニンが関係するシミタイプですが、ADMは真皮にメラニンがあるアザです。そのため、同じように点々として見えても、レーザーの波長や治療回数、反応の出方が異なります。

肝斑とADMの違い

肝斑は、両頬骨のあたりに左右対称に広がる、もやもやとした茶褐色の色素斑です。30代以降の女性に多く見られ、摩擦、紫外線、ホルモンバランスなどが関係すると考えられています。

ADMと肝斑は、出る場所が似ているため間違われることがあります。見分けるときには、色と形が大切です。ADMはやや青みがかった独立した斑点として見えることが多く、肝斑は淡い茶色の色素が面で広がるように見えます。

肝斑がある肌に強いレーザーを照射すると、悪化することがあります。ADMと肝斑が合併している場合は、ADMだけを見て治療を進めるのではなく、肝斑の状態も考えながら治療方法を選ぶ必要があります。

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老人性色素斑との違い

老人性色素斑は、紫外線と加齢の影響で生じる一般的なシミです。30代以降に増えやすく、頬、こめかみ、手の甲など、紫外線を受けやすい部位に出ることが多いです。

ADMは10代から30代に発症することが多く、青みのある点状の色素斑として見えることがあります。老人性色素斑は、茶色から濃い茶色で、境界が比較的はっきりした円形や楕円形のシミとして見えることが多いです。

40代以降に初めて目立ってきた色素斑では、ADMだけでなく、老人性色素斑や肝斑、イボなども考える必要があります。

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ADMの原因

ADMの発症には、遺伝的な要因が関係していると考えられています。ただし、どの遺伝子がどのように関わっているのかについては、まだ明確にはわかっていません。

診療の現場では、母娘や姉妹でADMが見られるケースもあります。家族内で似たような色素斑が見られることから、体質的な要素が関係していると考えられています。

一方で、ADMは紫外線だけで生じる一般的なシミとは異なります。紫外線対策は治療後の肌を守るうえで大切ですが、紫外線対策だけでADMそのものを消すことは難しいと考えられます。

また、ADMは自然に消えることもあまり期待できません。皮膚の深いところにメラニンがあるため、スキンケアや美白剤だけでは十分な変化が出にくいのです。気になる場合は、レーザー治療を含めて相談することが現実的な選択肢になります。

フラルクリニックのADM治療

フラルクリニックでは、ADMの状態、肝斑の有無、肌質、炎症後色素沈着の起こりやすさ、ダウンタイムを取れるかどうかを総合的に判断し、ピコ秒レーザー532nmとQスイッチYAGレーザー1064nmを使い分けています。

ピコ秒レーザー

ピコ秒レーザー532nmは、少ない回数でADM治療を進めやすい方法です。3カ月に1回程度の間隔で、1から3回ほどを目安に治療します。治療後は1週間ほどかさぶたや赤み、点状の内出血が目立つことがあります。

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QスイッチYAGレーザー

QスイッチYAGレーザー1064nmは、1カ月に1回程度の間隔で、10回程度を目安に治療します。治療回数は多くなりますが、ダウンタイムが比較的軽く、肝斑がある方でも選択しやすい治療です。

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レアセラム35や内服によるケア

また、レーザー後の炎症後色素沈着を抑え、治療後の肌を整えるために、レアセラムを使ったスキンケアや、トラネキサム酸内服を提案することがあります。トラネキサム酸は、血栓ができやすい体質や既往歴がある方では使用できない場合があるため、医師が安全に服用できるかを確認します。ADMは、適切に治療すれば再発がほとんどないとされています。ただし、肝斑が合併している場合は、肝斑の部分が再び濃く見えることがあります。そのため、ADM治療が終わったあとも、紫外線対策や摩擦を避けるケアは続けることが大切です。

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ADM治療後の経過とダウンタイム

ADM治療後の経過は、使用するレーザーによって異なります。

ピコ秒レーザー532nmの経過

ピコ秒レーザー532nmでは、治療後に赤み、ほてり、点状の内出血、かさぶたが出ることがあります。かさぶたは1週間ほど目立つことがあり、メイクで完全に隠すのが難しい場合もあります。

かさぶたは自然に剥がれるまで触らないことが大切です。早く取ろうとしてこすったり、爪で触ったりすると、炎症後色素沈着が長引く原因になります。治療後は、クリニックから指示された軟膏を使用し、炎症を抑えるケアを行います。

赤みや茶色い色味がしばらく残ることがあります。これは炎症後色素沈着として見えることがあり、数か月から半年、場合によっては1年ほどかけて薄くなることもあります。

QスイッチYAGレーザー1064nmの経過

QスイッチYAGレーザー1064nmでは、治療後に軽い赤みや点状の内出血が出ることがあります。目立つかさぶたはできにくく、日常生活に支障が出にくい治療です。

ただし、反応が軽い分、治療回数は多くなります。1回で大きな変化を出す治療ではなく、1カ月に1回程度のペースで回数を重ねながら、少しずつADMの色味にアプローチしていきます。

肌の反応や肝斑の状態によっては、途中で治療間隔やレーザーの種類を見直すことがあります。

ADM治療後に炎症後色素沈着を防ぐためのケア

ADMは、そばかすや肝斑と似て見えても、色素が真皮にあるアザです。美白剤や光治療では届きにくく、真皮のメラニンに届くレーザーが必要になります。

どの範囲がADMで、どこが肝斑や老人性色素斑なのかを見分けることが、治療結果を左右します。痛み、回数、ダウンタイム、紫外線対策も事前に知っておくと、治療後の不安を減らしやすくなります。

気になる色素斑がある方は、自己判断で治療を選ぶ前に、一度診察でご相談ください。

軟膏の使用で炎症を抑える

レーザー後は、処方した軟膏を使用していただくことで、炎症をできるだけ抑え、炎症後色素沈着を長引かせにくくします。

治療後は紫外線対策も重要

紫外線対策も重要です。レーザー後の肌は紫外線の影響を受けやすくなっています。日焼け止めを毎日使い、外出時間や汗の量に合わせて塗り直しましょう。帽子、日傘、マスクなども併用すると、日焼け止めだけでは防ぎきれない紫外線を避けやすくなります。

摩擦に要注意

レーザー後は、処方した軟膏を使用していただくことで、炎症をできるだけ抑え、炎症後色素沈着を長引かせにくくします。

アフターケアで色素沈着対策も

当院では、高浸透型ビタミンC誘導体を配合した「レアセラム」を使ったケアを提案しています。淡い色素沈着ではレアセラムを中心にケアし、色素沈着が濃い場合には、肌状態に応じてトレチノインなどを併用することがあります

ADM治療は、保険適応で治療できますか?

ADMはアザの一種であり、当院では保険適用で治療できる場合があります。

ただし保険適用の可否や具体的な費用は、診察内容、治療範囲、使用するレーザー、保険診療の条件によって変わることがあります。まずは診察で、色素斑がADMに該当するかどうかを確認することが大切です。
また、麻酔クリームは別途料金となる場合があります。レーザー後の炎症後色素沈着を改善するために、フラルスキンやレーザートーニング、レアセラム、内服などを追加で行う場合は、別途費用がかかることがあります。

ADMのレーザー治療は痛いですか?

レーザー照射時には、ゴムでパチンとはじかれるような痛みを感じることがあります。

痛みの感じ方には個人差がありますが、ADM治療では照射前に麻酔クリームを使用し、できるだけ痛みを抑えながら治療を行います。
麻酔クリームを使用しても刺激を感じる場合は、保冷剤などで冷却しながら照射することで、痛みを和らげらていきます。

1回の治療でどのくらい時間がかかりますか?

両頬のADM部分のみをレーザー照射する場合、麻酔クリームの時間を含めて30分程度が目安です。

照射範囲が広い場合や、診察、説明、処置の内容によっては、もう少し時間がかかることがあります。
初回は、ADMかどうかの診断や、肝斑などほかのシミが混在していないかの確認も大切です。治療時間だけでなく、診察や説明の時間も含めて余裕を持って来院していただくと安心です。

ADMは美白化粧品で治りますか?

ADMは、皮膚の深いところである真皮にメラニンがあるため、美白化粧品だけでは十分な効果は期待しにくい色素斑です。

医師の処方がなくても手に入る一般的な美白化粧品で完全に消すことは難しく、レーザー治療が中心になります。
ただし、レーザー後の炎症後色素沈着を抑えたり、肌全体の色むらを整えたりする目的で、スキンケアや内服を組み合わせることがあります。

ADMは再発しますか?

ADMは、適切にレーザー治療を行えば、再発はほとんどありません。

ただし、肝斑が合併している場合は、肝斑の部分が再び濃く見えることがあります。
治療後に色味が出てきた場合、それがADMの再発なのか、肝斑なのか、炎症後色素沈着なのかを見極める必要があります。自己判断せず、診察で確認することをおすすめします。

ADMは何歳くらいで発症しますか?

ADMは、10代から20代半ばごろに気づくことが多い色素斑です。

小学生頃から現れることもあり、30代までに発症しているケースが多いとされています。まれに40代で気づくこともありますが、40代以降に初めて目立ってきた色素斑では、老人性色素斑や肝斑など他の症状も考える必要があります。

レーザー治療は何回くらい必要ですか?

治療回数は、使用するレーザーの種類、ADMの濃さや範囲、肌質、肝斑の有無、炎症後色素沈着の起こりやすさによって変わります。

ピコ秒レーザー532nmでは、1回から3回ほどを目安に治療することがあります。治療間隔は3カ月に1回程度です。
QスイッチYAGレーザー1064nmでは、1カ月に1回程度のペースで、10回程度を目安に治療することがあります。
ただし、必要な回数には個人差があります。早く取ろうとして強く照射すればよいというものではなく、赤みや炎症後色素沈着の出方を見ながら、肌に合った間隔と方法で進めることが大切です。